精選版 日本国語大辞典
「爪で拾って箕でこぼす」の意味・読み・例文・類語
つめ【爪】 で 拾(ひろ)って箕(み)で=こぼす[=捨(す)てる]
① わずかずつ苦労してたくわえたものを
一度に無造作に使いはたすたとえ。桝で量って箕でこぼす。
耳掻で集めて
熊手で掻き出す。
※
良人の
自白(1904‐06)〈
木下尚江〉続「
差当りの
御礼に千円出すんだと言ふじゃ無いか、爪で拾って箕
(ミ)で捨
(ステ)るって此事だわね」
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爪で拾って箕でこぼす
一つ一つ拾いあつめたものを何かの拍子に一度にこぼしてしまう。苦労して稼いだものを無造作に一度に使い果たすことのたとえ。また、収入がわずかしかないのに支出が大きすぎることのたとえ。
[使用例] と申しますのも、粂原君のいうように女楼主というのはどんなに賢くても大目でものを見ず近道を走ろうとし、しばしば爪で拾って箕でこぼすような真似をしがちでございます[宮尾登美子*岩伍覚え書|1977]
[解説] 「箕」は、穀物をあおりふるって殻やごみをよりわけたり運搬する農具。
[類句] 枡で量って箕でこぼす/耳掻きで集めて熊手で掻き出す
〔英語〕Penny wise, pound foolish.(ペニーに賢く、ポンドには愚か)
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