20世紀日本人名事典 「牧野 英一」の解説
牧野 英一
マキノ エイイチ
明治〜昭和期の刑法学者 東京帝国大学名誉教授;貴院議員。
- 生年
- 明治11(1878)年3月20日
- 没年
- 昭和45(1970)年4月18日
- 出生地
- 岐阜県高山(現・高山市)
- 学歴〔年〕
- 東京帝大法科大学法律学科〔明治36年〕卒
- 学位〔年〕
- 法学博士
- 主な受賞名〔年〕
- 文化勲章〔昭和25年〕,文化功労者〔昭和26年〕
- 経歴
- 民法施行や条約改正のあった明治32年に東京帝大に入り、卒業後は判事、検事を経て、大正2年〜昭和13年東大教授。「犯罪は犯人の悪性の徴表である」との“主観主義的刑法理論”や、「刑罰の目的は犯人の人格を再び社会生活に適応させることにある」との“教育刑論”を日本に持ち込み、また刑法学の大家で、自由な法解釈を主張する自由法運動の提唱者として有名だった。この間、明治43年から大正2年まで、独、伊、英に留学したあと、刑法改正調査委員会委員、臨時法制調査会委員、中央公職適格審査委員会委員長を歴任。探究心旺盛で、病床の枕もとには常に外国の新刊書があったという。昭和11年学士院会員。21年貴族院議員。25年文化勲章受章。著書に「刑事学の新思潮と新刑法」「日本刑法」「刑法総論」「法理学」「刑法各論」「刑法研究」(20巻)などがある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」（2004年刊）20世紀日本人名事典について 情報