物前・武前(読み)ものまえ

精選版 日本国語大辞典 「物前・武前」の意味・読み・例文・類語

もの‐まえ ‥まへ【物前・武前】

〘名〙
① いくさのはじまる直前。
※上杉年譜‐四九・元和四年(1618)七月一三日・上杉景勝条書「於武前(モノマヘ)御用相達候様、不断稽古肝要之事」
三河物語(1626頃)一「小軍が大軍かさを被懸、其に寎(おどろき)て武ば、物前(ものマヱ)にてせいがぬくる者成」
② 正月・盆・節供などの前。物日の前。節季の前。行事の準備や掛買の支払・決算などの時期に当たる。
※俳諧・独吟一日千句(1675)第二「三分一とてとるこがね川 物前や水のごとくにすますらん」
滑稽本・麻疹戯言(1803)麻疹与海鹿之弁「節前(モノマヘ)心機(やりくり)も、なく子と病に勝れねど」
③ 江戸時代、遊郭の紋日の前。
評判記色道大鏡(1678)二「物前(モノマヘ)ちかくなりて口舌する事なかれ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android