物憂・懶・慵(読み)ものうい

精選版 日本国語大辞典 「物憂・懶・慵」の意味・読み・例文・類語

もの‐う・い【物憂・懶・慵】

〘形口〙 ものう・し 〘形ク〙 (「もの」は接頭語)
① 気がすすまずおっくうである。何となく倦(う)みつかれて身心がすっきりしない。だるく大儀である。
※竹取(9C末‐10C初)「かへるさのみゆき物うくおもほえて」
② 何となく心がはればれとしない。憂鬱(ゆううつ)である。
菟玖波集(1356)春「春雨のくもりつづくは物うきに おぼろなるにも月をまたばや〈信昭〉」
③ 何となくつらい。いやである。やりきれない。わびしい。苦しい。
※後撰(951‐953頃)雑四・一二六〇「数ならぬ身のみ物うく思ほえて待たるるまでもなりにけるかな〈よみ人しらず〉」
ものう‐が・る
〘自ラ四〙
ものう‐げ
〘形動〙
ものうげ‐さ
〘名〙
ものう‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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