猶予・猶与(読み)ゆうよ

精選版 日本国語大辞典 「猶予・猶与」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐よ イウ‥【猶予・猶与】

〘名〙
① うたがいためらうこと。ぐずぐずしていて、決定・実行しないこと。
※三教指帰(797頃)下「野心難改、情懐猶予
太平記(14C後)九「大行は、細謹を顧みずとこそ申候へ。此等程の少事に猶予(イウヨ)有る可きにあらず」 〔顔子家訓‐書証
② 日時を延ばすこと。許して実行を遅らせること。延引。遷引。
歌舞伎韓人漢文手管始唐人殺し)(1789)一「まづまづ若殿様、暫く御猶予なし被下ませふ」
③ 特に、執行猶予徴兵猶予などをいう。
※或る女(1919)〈有島武郎〉後「私はまだ猶予中ですが検査を受けたって屹度駄目です。〈略〉私軍隊生活の出来るやうな人が羨ましくってなりません」
④ 余裕。
日本開化小史(1877‐82)〈田口卯吉〉一「斯く貨財の進むに従ひ、人心亦大に猶予を得て」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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