日本大百科全書(ニッポニカ) 「玉川(秋田県の川)」の意味・わかりやすい解説
玉川(秋田県の川)
たまがわ
秋田県中央部を流れる川で、雄物川(おものがわ)の一支流。岩手県境の大深岳(おおふかだけ)(1541メートル)のほか、柴倉(しばくら)岳、焼(やけ)山などの沢水を集め、生保内(おぼない)川、檜木内(ひのきない)川などと合流して大仙(だいせん)市花館で雄物川に流入する。流路延長103キロメートル。上流の玉川温泉の強酸性硫黄(いおう)泉が玉川に注ぐため、約80キロメートルにわたり死の川となり、流域の農産物に大きな被害を与えた。反面、玉川の包蔵水量は大きく、生保内、神代(じんだい)、鎧畑(よろいはた)などの発電所があり、さらに1990年(平成2)には洪水調節、工業用水、秋田市の上水用の玉川ダムが完成、酸性水中和施設もつくられた。上流部には抱返(だきがえり)渓谷、白糸の滝、百尋(ひゃくひろ)の滝などの景勝地が多い。
[宮崎禮次郎]
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