精選版 日本国語大辞典 「玉羊歯」の意味・読み・例文・類語
たま‐しだ【玉羊歯】
〘名〙 シダ類ウラボシ科の常緑多年草。広く熱帯地方に分布し、伊豆諸島、本州の静岡県以南の暖地の海岸の地上、または岩上に生え、九州南部以南では山地の林中にも見られ、樹上に着生するものがある。根茎は直立、または斜上し、多くの葉を束生し、匍匐(ほふく)枝は薄い褐色の膜質鱗片を密につけ、球形の塊茎をつけ水を貯える。和名の由来はこの器官にある。葉は広線形で一回羽状複葉に分裂して、長さ五〇~七〇センチメートルになる。羽片は長さ二~四センチメートルの長楕円状線形で縁に鈍鋸歯(どんきょし)がある。葉柄は短く下部に淡褐色の鱗片が密生。胞子嚢(ほうしのう)群は羽片の縁近くに生じる。鉢物あるいは切葉として採取、または栽培される。〔物品識名(1809)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報