精選版 日本国語大辞典 「現在・見在」の意味・読み・例文・類語
げん‐ざい【現在・見在】
〘名〙
[一] 時間の流れを三つに区分した一つ。過去と未来との間。
① 仏語。三世の一つ。今現に生を受けているこの世。現世。
② 過去と未来のさかいめ。時の流れの中で、過去と異なり今、目の前という短い時をいう場合と、今に近い過去や未来を含めたある期間をいう場合とがある。いま。
※六如庵詩鈔‐二編(1797)五・甲寅中秋〈略〉泛舟遊巨椋湖各賦「当レ筵須レ罄二見在歓一、身後浮名酒一中」
※浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三「そのころの幸福は現在の幸福ではなくて、未来の幸福の影を楽しむ幸福で」
③ 変動するものの状態をある時点で記述する際、その時点を示す語に添える。「一月一日現在」
※密伝抄(1455頃か)「惣而しは過去のし・未来のし・現在のしとて此等也」
[二] (━する) 目の前にあること。現に存在すること。また、その場にありあわせること。
※玉葉‐嘉応二年(1170)一〇月二五日「寛治御調度、于レ今見在者、被レ用レ彼、不レ可レ有二其難一」
① (「の」を伴って連体詞的に用いられて) まぎれもない。正真正銘の。
② (副詞的に用いられて) たしかなさま。疑いもないこと。
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