理屈・理窟(読み)りくつ

精選版 日本国語大辞典 「理屈・理窟」の意味・読み・例文・類語

り‐くつ【理屈・理窟】

〘名〙
① もっともな論理。すじの通ったわけ。ことわり。道理
※都氏文集(879頃)五「未梟禽之怒、理窟難究」
※延慶本平家(1309‐10)一本「我山に流布し給て諸宗明徳して開講論義を読れけるに理崛猶極めず思はれけれは」
② (形動) 理論ばかりにかたよること。また、そのようなさま。こじつけた理論。無理につじつまを合わせた条理。
※天理本狂言・雁かりがね(室町末‐近世初)「鴈ならばがんとは申さいで、りくつな事を申たゆへじゃ」
俳諧去来抄(1702‐04)先師評「先師重ねて曰、角・来が弁皆理屈なり。我はただ花より松の朧にて、おもしろかりしのみと也」 〔晉書‐張憑伝〕
③ 利益・都合・事情などにかなうこと。
※歌舞伎・五大力恋緘(1793)二幕「『土瓶は茶がわるうならうかと存じて、用意致して置きました』ト日向につりあり『こいつは理窟ぢゃ、どれどれ』」
④ (━する) 色事の事情や、段取りなど。諸分。また、色事をすること。
※黄表紙・御存商売物(1782)上「青本は妹柱かくしと一枚絵がりくつを知り、どふぞすへは一つにしてやらんと」
⑤ やりくり。方策。心づもり。魂胆
洒落本・奴通(1780か)「そしてソレ伊勢屋の方の理くつも、あの子は内へかくすのを、おめへがはたれへて遣ったじゃアねへか」
⑥ こごと。文句
※洒落本・通言総籬(1787)二「そんなにさわいだら又、やりてがみせ三味線の一といふ声でりくつをいふが」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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