琉球組(読み)りゅうきゅうぐみ

精選版 日本国語大辞典 「琉球組」の意味・読み・例文・類語

りゅうきゅう‐ぐみ リウキウ‥【琉球組】

(「組」は組歌の略) 三味線組歌一つ本手組(ほんてぐみ)に属する。三味線組歌の最古のもの。九つの歌を組み合わせてある。石村検校作曲と伝える。〔糸竹初心集(1664)〕

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デジタル大辞泉 「琉球組」の意味・読み・例文・類語

りゅうきゅう‐ぐみ〔リウキウ‐〕【琉球組】

三味線組歌の最古の曲。本手組に属する。石村検校の作曲という。

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改訂新版 世界大百科事典 「琉球組」の意味・わかりやすい解説

琉球組 (りゅうきゅうぐみ)

三味線組歌の曲名。三味線そのものを日本にもたらしたともいわれる石村検校の作曲と伝えられるが,虎沢検校の作または補作説もある。現行するものは,柳川流では柳川検校編曲野川流では野川検校の編曲と思われ,いずれも表組の第1曲とする。三味線音楽の芸術的歌曲の最古典曲。曲名は,石村琉球から伝来したことに基づくとも,その第1歌の詞章が,琉球歌謡をとり入れたことによるともいわれる。第1歌の〈天に照る月は……〉以下は,沖縄の《柳節》の詞章の一つが類似する。そのほか,1592年(文禄1)飛驒高山吉左右踊,1635年(寛永12)の伊勢踊などにも類歌がある。その前の歌い出しは,柳川流では〈比翼連理よの〉,野川流では〈千代も幾千代も〉と異なるが,必ずしも柳川流が原態を残すともいえない。第2歌以降は,《閑吟集》の小歌や,狂言歌謡および女歌舞伎踊などのいずれにも類歌が見いだされる。野川流は計6歌と数えるが,柳川流では,第5歌を二つに分かって,計7歌と数える。なお,深草検校作曲の《千代の恵》は,この曲と打ち合わせるべく作られたが,現行されない。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「琉球組」の意味・わかりやすい解説

琉球組
りゅうきゅうぐみ

三味線組歌の曲名。石村検校,あるいは弟子虎沢検校作曲,ないしは両人の共作といわれる組歌の第1曲で,三味線音楽最古の芸術歌曲。6つの小編歌を組合せて1曲としたもので,その第1歌が琉球歌謡によるものとも伝えられるが,定かではない。モロバチといわれる奏法を多用した比較的単純な音型を集積した単調なリズムで始るが,次第にテンポが速められ,技巧も複雑になり,いわゆる序破急の構成となっている。この曲以下7曲を「表組」または「本手組」「本曲」といい,三味線本手 (組歌) のなかの最も古い規範曲となっている。

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世界大百科事典(旧版)内の琉球組の言及

【地歌】より

…これを,〈三味線本手〉ないし〈本手〉と称したが,のちには〈三味線組歌〉などとも称した。その中でも最古典曲は,石村検校作曲とされる《琉球組》であるが,虎沢検校を経て柳川検校に至るまでに,増補・整理された。とくに柳川が〈カタバチ(片撥)〉(撥を弦にあてて胴皮におろす普通の弾き方とスクイ撥が交互になるモロバチが本手には用いられたが,これに対して普通の弾き方のみが連続する)の奏法によって新作したものを〈破(端・葉)手(はで)〉と称してから,それ以前のものを,狭義の〈本手組〉(表組)と称した。…

※「琉球組」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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