田辺茂啓(読み)たなべ・もけい

朝日日本歴史人物事典 「田辺茂啓」の解説

田辺茂啓

没年明和5.1.30(1768.3.18)
生年元禄1(1688)
江戸中期の長崎地役人。通称八右衛門。功山と号す。享保6(1721)年御用向并御書物役に任ぜられる。明和1(1764)年30年の歳月をかけて編纂した『長崎実録大成』を長崎奉行所に献上した。『長崎実録大成』は天領貿易都市長崎の政治,経済,文化,社会を詳しく述べたもので,長崎地役人という立場を利用して収集した資料を基にしている。同書はさらに茂啓本人によって明和4年分まで書きつがれ,『長崎志正編』全16巻となったが,その後別人の手で『長崎志続編』全13巻が書きつがれた。

(武野要子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「田辺茂啓」の解説

田辺茂啓 たなべ-もけい

1688-1768 江戸時代中期の郷土史家。
元禄(げんろく)元年生まれ。向井元成(げんせい)の門人で,長崎聖堂の書記役。30年の歳月をかけ独力で「長崎実録大成」を宝暦10年に完成,明和元年長崎奉行菅沼定秀に献じた。以後も4年まで執筆をつづけ,のち「長崎志正編」(16巻)と名づけられた。明和5年1月30日死去。81歳。通称は八右衛門。号は功山。

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