由旬(読み)ゆじゅん

精選版 日本国語大辞典 「由旬」の意味・読み・例文・類語

ゆじゅん【由旬】

〘名〙 (yojana音訳) 仏語。古代インドで用いた距離単位の一つ。約七マイル(約一一・二キロメートル)あるいは九マイルという。帝王軍隊が一日に進む行程といわれ、中国では六町を一里として四〇里または三〇里、あるいは一六里にあたるとされる。別に大由旬を八〇里、中由旬を六〇里、小由旬を四〇里とする説などもある。踰繕那(ゆぜんな)。ゆうじゅん。
往生要集(984‐985)大文二「諸声聞衆、身光一尋、菩薩光明、照百由旬」 〔注維摩経‐六〕

ゆう‐じゅん イウ‥【由旬】

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デジタル大辞泉 「由旬」の意味・読み・例文・類語

ゆじゅん【由旬】

《〈梵〉yojanaの音写》古代インドの距離の単位の一。1由旬は、牛車の1日の行程をさし、約7マイルあるいは約9マイルなど諸説ある。中国では6町を1里として、40里または30里あるいは16里にあたるとした。ヨージャナ。

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普及版 字通 「由旬」の読み・字形・画数・意味

【由旬】ゆじゆん

梵語yojanaの音訳。帝王一日の行軍里程。〔池北偶談、二十四、銅人〕南懷仁言ふ、大西洋より中國に入るは、そ十里、舶甚だなり。口に銅人り。高さ其の由旬なるを知らずと。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「由旬」の意味・わかりやすい解説

由旬
ゆじゅん

サンスクリット語 yojanaの音写。兪旬,踰繕那などと書くこともある。インドにおける里程の単位で,帝王の軍勢が1日に行進する距離とされ,中国の 40里 (1里は約 405m) にあたるとされるが,30里とも 60里ともいわれる。

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世界大百科事典(旧版)内の由旬の言及

【劫】より

…1劫の長さは仏典では種々の比喩で説かれている。〈盤石(ばんじやく)劫〉の比喩によると,1辺1由旬(ゆじゆん)yojana(約7km)の立方体をした硬い岩を柔らかいカーシ産の綿布で100年に1度ずつ払いつづけ,岩がようやく磨滅しても1劫はまだ終わらない。劫は元来〈期間〉の意味なので,上記の劫以外に,これと長さの異なる種々の劫がある。…

※「由旬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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