畏(漢字)

普及版 字通 「畏(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 9画

[字音] イ(ヰ)・ワイ
[字訓] おそれる・つつしむ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
鬼頭のものの形。〔説文〕九上に「惡なり」とし、上は(鬼)頭、下は虎爪にして「畏るべき」ものとするが、下部は人と呪杖の形である。卜文・金文の形は鬼頭の者が呪杖をもち、その威霊を示す形。夢などにあらわれるものをいい、卜辞に「畏多し」などの語がある。

[訓義]
1. おそれる、にくむ、はばかる、忌む。
2. つつしむ、かしこまる。
3. 金文の〔大盂鼎〕に「天畏を畏れよ」とあり、威と通用する。

[古辞書の訓]
名義抄〕畏 オソル・オヅ・ツツシム・カシコマル

[声系]
〔説文〕に畏声として・猥・隈など七字を録する。隈iは窩uaiと声義近く、その系統の語。

[語系]
畏・威iuiは同声。〔詩、小雅、常棣〕「死喪の威(おそ)れ」は「畏れ」、〔小雅、巧言〕「昊天(かうてん)已(はなは)だ威(おそ)る」は金文の「天(びんてん)疾畏」と同義。文献に畏・威通用の例が甚だ多い。

[熟語]
畏愛畏威・畏影・畏悪畏忌・畏恐畏怯畏懼畏敬・畏事・畏日・畏首畏粛畏縮畏慎・畏畏懦畏憚・畏畏途・畏塗畏怕畏避畏怖畏附・畏伏・畏服畏慕・畏友畏慄畏凜
[下接語]
愧畏・恭畏・敬畏・愁畏・懾畏・尊畏・憚畏・天畏・怖畏・憂畏

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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