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痴呆(ぼけ) ちほうぼけ

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食の医学館の解説

ちほうぼけ【痴呆(ぼけ)】

《どんな病気か?》
〈痴呆には脳血管性痴呆アルツハイマー型痴呆がある〉
 中年をすぎると、脳細胞や神経細胞も老化してきます。そのために、もの忘れ、不眠などが目立つようになり、動作も緩慢になってきます。
 これは生理的な変化で、多かれ少なかれだれにでも起こることです。しかし、脳・神経細胞の衰えから病的な変化が現れることもあります。
 その代表が痴呆(ちほう)(ぼけ)やパーキンソン病です。
 痴呆は健忘をおもな症状とし、知的機能が徐々に低下していく病気で、大きく2つのタイプにわかれます。
 1つは脳血管性痴呆で、脳梗塞(のうこうそく)や脳卒中(のうそっちゅう)の発作(ほっさ)などにより脳が障害を受けて起こるものです。
 もう1つは、脳などに障害がなく、原因がわからないアルツハイマー型痴呆です。脳血管性痴呆が急速に発症するのに対し、アルツハイマー型痴呆は段階的に症状が進行していきます。
 最初は、今日が何日か、といった時間の感覚が失われ、しだいに自分がいる場所もわからなくなります。さらには幻覚や妄想(もうそう)が現れ、社会生活や日常生活にも支障をきたすようになります。
 従来、日本では痴呆の6割が脳血管障害によるもので、アルツハイマー型は3割程度しかみられませんでしたが、近年はアルツハイマー型が約5割を占めるようになっています。
 最近の研究では、脳内のアセチルコリンという神経伝達物質の減少がアルツハイマー型痴呆の発病に関係していることがわかってきました。また、この病気の人にみられる脳・神経細胞の萎縮(いしゅく)や脱落は、活性酸素の害が影響をおよぼしているとも考えられています。
<だれにでもできる簡単ぼけテスト
◇診断方法
問題は正解に対して1点。
問題4は、1つの言葉に対し、それぞれ各1点。
問題6、8、9は正解に対し、それぞれ各1点。
総得点は、30点。
 20点以下=痴呆症を疑ってみたほうがいいでしょう。
 10点以下=かなり進んだ知能低下を意味しています。
明らかに痴呆症の疑いがある場合はまず痴呆専門医のいる病院で受診しましょう。
 また、最寄り自治体の高齢者福祉課などでも、相談を受け付けています。

●問題1 お歳はいくつですか?
(2年までの誤差は正解とする)

●問題2 今日は何年の何月何日ですか? 何曜日ですか?
(年、月、日、曜日が正解でそれぞれ1点ずつ)

●問題3 私たちがいまいるところは、どこですか?
(自発的にでれば2点、5秒おいて、家ですか? 病院ですか? 施設ですか? のなかから正しい選択をすれば1点)

●問題4 これから言う3つの言葉を、よく覚えておいてください。あとで聞きますので、言ってみてください。
(以下の2系列のいずれか1系列で、採用した系列に○印をつけておく)
1:a)桜 b)猫 c)電車
2:a)梅 b)犬 c)自動車

●問題5 100から7を順番に引いてください。
(100-7は? それからまた7を引くと? と質問する。最初の答が不正解の場合、打ち切る)
正解;93、86

●問題6 私がこれから言う数字を逆から言ってください。
(6-8-2、3-5-2-9を逆に言ってもらう、最初の3桁逆唱に失敗したら打ち切る)
正解;2-8-6、9-2-5-3

●問題7 先ほど覚えてもらった(問題4の)言葉を、もう一度言ってみてください。
(自発的に回答があれば各2点、もし回答がない場合、以下のヒントを与え、正解であれば1点) a)植物 b)動物 c)乗り物

●問題8 これから5つの品物を見せます。それを隠しますので、何があったか言ってください。
(時計、鍵、タバコ、ペン、硬貨など必ず相互に無関係なものを使用する)

●問題9 知ってる野菜の名前を、できるだけ多く言ってください。
(答えた野菜の名前を記録する。途中でつまり、約10秒待っても答えない場合にはそこで打ち切る)
1~5個=0点、6個=1点、7個=2点、8個=3点、9個=4点、10個=5点
(改訂版長谷川式簡易知能評価スケールより)
〈パーキンソン病は脳内伝達物質のアンバランスで起こる〉
 一方、パーキンソン病というのは、運動を調整する脳の機能が障害を受けて起こるものです。ふるえ、筋肉のこわばり、動作の緩慢といった症状がみられ、ちょっと押されても転倒してしまいます。
 原因は神経伝達物質であるアセチルコリンとドーパミンバランスのくずれにあります。
 運動調節はこの2つの物質がバランスをとることでスムーズに機能しますが、パーキンソン病の人は、ドーパミンがつくられなくなり、相対的にアセチルコリンの量がふえて症状が現れます。
《関連する食品》
〈臨床実験で有効と認められたDHA、ギンコライド〉
○栄養成分としての働きから
 まず痴呆の予防や改善に効果のあるものから紹介していきましょう。
 イワシ、サバなど背の青い魚の脂(あぶら)に多く含まれているDHA(ドコサヘキサエン酸)は、脳血管の入り口にある血液脳関門を通過できる性質があり(血液中のすべての成分が脳に入れるわけではないのです)、脳や神経系への薬理作用が認められています。実際に痴呆の患者さんに使用したところ、症状が改善されたという臨床試験の結果があります。
 またDHAは、血液を流れやすくするので、脳血管性痴呆の原因となる脳梗塞などの予防にも有効です。マグロやイワシなどに多く含まれるIPA(イコサペンタエン酸)にも同様の作用があり、脂の多い魚は、まさに“健脳食”の代表です。
 イチョウの葉やギンナンに含まれているギンコライドも、痴呆への効果が期待されている成分です。ドイツではすでに痴呆の治療薬として認可されているほか、アメリカでもアルツハイマー型痴呆に対する効果が研究されているそうです。
 ギンコライドには、脳のエネルギーのもとになるブドウ糖濃度を高め、有害な乳酸の濃度を下げる、脳の末梢血管(まっしょうけっかん)を広げる、血液の流動性を高める、活性酸素の害を防ぐなどすぐれた働きが多数あり、日本ではイチョウ葉エキスとして健康食品店などで売られています。
 ダイズ製品、卵黄、チーズ、レバーなどに含まれているレシチンは、記憶力や認知能力にかかわる神経伝達物質アセチルコリンの材料となる成分です。レシチンを摂取することで、加齢とともに減少しがちなアセチルコリンを補給でき、アルツハイマー型痴呆の予防や治療に有効です。
〈パーキンソン病にはビタミンB6 、トリプトファンが有効〉
 脳や神経系の働きにかかわるビタミンB6、B12、葉酸(ようさん)などのB群も不足しないように気をつけましょう。痴呆の人は、とくにB12と葉酸が不足している傾向にあり、これらを補給することにより、症状が軽くなったという報告もあります。
 また、ビタミンB6は神経伝達物質ドーパミンの合成にかかわっており、ドーパミンが不足して起こるパーキンソン病に有効です。B群はそれぞれ連携して働くので、まんべんなくとることがポイントです。ビタミンB6はマグロ、サンマ、ビタミンB12はアサリやカキ、葉酸はレバー、ホウレンソウに多く含まれています。
 パーキンソン病では、たんぱく質に含まれるトリプトファンやフェニールアラニンも、ドーパミンをつくる働きがあり、病気の予防に役立ちます。どちらも肉類、魚類、たまご、牛乳などに多く含まれています。
 ほかに抗酸化作用のあるビタミンCやEも脳の老化予防に欠かせない成分で、痴呆とパーキンソン病の両方に効果があります。
 ビタミンCは、キウイ、パパイア、ビタミンEはカボチャやナッツ類に豊富です。なおビタミンEは、Cの抗酸化作用をより高める働きもあるので、ぜひ合わせてとりましょう。

出典|小学館
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