白糸ノ滝(読み)しらいとのたき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「白糸ノ滝」の意味・わかりやすい解説

白糸ノ滝
しらいとのたき

静岡県富士宮市、富士山西麓(せいろく)にある滝。富士川の支流芝川にかかり、幅約150メートル。高さ約20メートルの壁面すだれのように落下する景観は特異であり、国の名勝・天然記念物に指定されている。水源は富士火山の伏流水湧水(ゆうすい)と芝川の伏流水からなるといわれる。隣接して東側には音止ノ滝(おとどめのたき)がある。富士宮道路(国道139号)が通り、富士周遊観光ルートの拠点でもあり、北方には朝霧(あさぎり)高原が広がる。2013年(平成25)に白糸ノ滝は富士山域や周辺の神社、忍野八海(おしのはっかい)等の構成資産とともに「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」として世界文化遺産リストに登録された。

北川光雄]


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改訂新版 世界大百科事典 「白糸ノ滝」の意味・わかりやすい解説

白糸ノ滝 (しらいとのたき)

静岡県富士宮市にある滝。富士山西麓の猪之頭湧泉に水源をもつ芝川にかかる滝で,基盤となる古富士泥流層とその上にのる新富士溶岩との境界や新富士溶岩の間などから湧水し,幅約130m,高さ約25mの垂直壁の上部から白い糸をたらしたように落下する。国の名勝・天然記念物。南東方にはこれと対照的に豪壮に落下し,曾我兄弟故事にちなむ音止(おとどめ)ノ滝(高さ25m)もある。東名高速道路富士インターチェンジから有料道路の富士宮道路(1995年無料開放)が通じ,富士山周遊観光の拠点となっている。
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百科事典マイペディア 「白糸ノ滝」の意味・わかりやすい解説

白糸ノ滝【しらいとのたき】

静岡県富士宮市の北部,富士山西麓の滝(名勝・天然記念物)。芝川上流にかかり,高さ約26m,幅約130m。新しい富士山の溶岩層と下層の古富士泥流層の間の豊富な伏流水が断崖途中に吹き出し,白糸をたらしたように見える。身延線富士宮駅からバス。2013年,富士山の構成資産として世界文化遺産に登録。
→関連項目富士山富士宮[市]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「白糸ノ滝」の意味・わかりやすい解説

白糸ノ滝
しらいとノたき

長野県東部,浅間山の東方山麓にある滝。千曲川の支流湯川の源流の1つ。標高約 1300m。高さはわずか 3mほどであるが,幅は約 70mあり,数百条の水流が落ちている。軽井沢町北部にあって上信越高原国立公園に属する。付近を白糸ハイランドウェイが通る。

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