白膠木(読み)ぬるで

精選版 日本国語大辞典 「白膠木」の意味・読み・例文・類語

ぬるで【白膠木】

〘名〙 ウルシ科の落葉小高木。各地の浅い山野や丘陵地に生える。高さ五メートルぐらい。葉は長さ三〇センチメートル内外の奇数羽状複葉で七~一三個の小葉からなり、中軸に翼がある。小葉は長さ五~一〇センチメートルの楕円形で縁に粗い鋸歯(きょし)があり、裏に黄褐色の毛を密生する。雌雄異株。夏から秋にかけ、枝先に長さ約三〇センチメートルの円錐状に密集した黄白色の小さな五弁花を開く。果実は扁球形、赤く熟して白粉を生じ塩辛い。葉にできる虫こぶを五倍子(ふし)といいタンニンの原料として薬用染料、インク製造などに用いる。またシイタケの培養原木や護摩木にも使う。葉は秋に紅葉し、ぬるでもみじという。漢名、塩麩子・塩麩木・五倍子樹。ふしのき。かつのき。かつかど。かちのき。かつぎ。かえのき。のでぼ。ぬるでのき。ぬりでのき。ぬりで。ぬで。
聖徳太子伝暦(917頃か)上「取白膠木。刻四天王。置於頂髪

ぬりで【白膠木】

書紀(720)崇峻即位前「乃ち、白膠木(ヌリデ)(きりと)りて疾(と)く四天王の像(みかた)を作りて〈略〉 〈白膠木、此をば農利埿(ヌリデ)と云ふ〉」

ぬるで‐の‐き【白膠木】

※観智院本三宝絵(984)中「ぬるでの木をとりて四天王の像をきざみ造て」

はっこう‐ぼく ハクカウ‥【白膠木】

〘名〙 植物ぬるで(白膠木)」のこと。

はくこう‐ぼく【白膠木】

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デジタル大辞泉 「白膠木」の意味・読み・例文・類語

ぬるで【白木】

ウルシ科の落葉小高木。山野に生え、葉は卵形または楕円形の小葉からなる羽状複葉で、葉軸に翼があり、秋に紅葉する。雌雄異株。夏、枝の先に白い小花を円錐状につけ、果実は白くて短毛を密生。葉にできる虫こぶを五倍子ごばいし・ふしといい、タンニンを含む。白い樹液は塗料に利用。ふしのき。かちのき。かつのき。ぬで。ぬりで。

ぬりで【白木】

ヌルデ別名

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動植物名よみかた辞典 普及版 「白膠木」の解説

白膠木 (ヌルデ・ヌリデ;ヌリデノキ;ヌルデノキ;ハクキョウボク;ハクコウボク)

学名Rhus javanica
植物。ウルシ科の落葉小高木,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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