白面(読み)はくめん

精選版 日本国語大辞典 「白面」の意味・読み・例文・類語

はく‐めん【白面】

〘名〙
素顔
顔色の白いこと。色白の顔。多く、若い男にいう。
恋慕ながし(1898)〈小栗風葉〉六「紅顔老翁と白面(ハクメン)青年と、琅々たる連管に無念無想有様は」 〔杜甫‐暮秋枉裴道州手札卒爾遣興寄逓呈蘇渙侍御詩〕
③ (②から転じて) 公家などの貴人。
日本開化小史(1877‐82)〈田口卯吉〉三「武人の功労全く無効となりて其利は白面の人に奪はれたり」
④ 年少で未熟なこと。
文徳実録‐嘉祥三年(850)五月壬午「野上対、是京洛一白面耳」 〔徐陵‐河東康簡王墓誌〕

しろ‐つら【白面】

〘名〙 歌舞伎化粧法の一つ。顔を白く塗るもの。現在では、赤面(あかづら)敵役に対し、正義を表現する立役の化粧をいうことが多い。古くは、顔に何も塗らないで、単独に正義を表現し、荒事を演ずる勇者をいうこともあった。しろっつら。白塗り
評判記・役者正月詞(1726)江戸此時は顔をぬられず白面の角(すみ)前髪見ごと見ごと」

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デジタル大辞泉 「白面」の意味・読み・例文・類語

はく‐めん【白面】

素顔すがお
色白の顔。「白面貴公子
年が若く、経験の浅いこと。青二才。「白面の書生」
[類語]色白白皙真白い真っ白い白い白白しらじら白白しろじろ白っぽい真っ白け真っ白生白いほの白い雪白せっぱく雪白ゆきじろ皚皚がいがい雪を欺く純白白色白妙しろたえ乳色乳白色ミルク色灰白色象牙色ホワイトオフホワイトアイボリー蒼白そうはく白白しい白地しらじ白地しろじ

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普及版 字通 「白面」の読み・字形・画数・意味

【白面】はくめん

美顔。また、若輩。〔宋書、沈慶之伝〕陛下、今、國を伐たんと欲して、白面の書生輩と之れを謀る。事、何に由りてか濟(な)らんや。

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