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『美しい水車屋の娘』『冬の旅』と並ぶシューベルト三大歌曲集の一つ。ただし、前二者が内容に一貫性をもった連作歌曲集であるのに対し、この歌曲集は1828年、すなわち生涯の最後の年にシューベルトが作曲した14の歌曲(レルシュタープの詩によるもの七曲、ハイネ六曲、ザイドル一曲)を、彼の死後ウィーンの出版者ハスリンガーがまとめて公にしたものである。したがってシューベルト自身が編纂(へんさん)した歌曲集ではなく、また『白鳥の歌』(「告別の歌」の意)も出版者があとからつけた題名である。曲集としての一貫性には欠けるものの、個々の歌曲にはシューベルト晩年の精神の諸相を明確に映し出している名作が多い。レルシュタープの詩による有名な「セレナーデ」Ständchenや、ザイドルの詩による「鳩(はと)の使い」Die Taubenpostのように叙情的な旋律を中心にした曲もあれば、またハイネの詩による「影法師」Der Doppelgängerのように、朗読風の歌と独特の和声法によって、歌詞の心理的な面を深く掘り下げた作品もある。とりわけ、シューベルトが死の年に初めて出会ったハイネの詩は、「都会」Die Stadtのピアノ前奏にみられるように、彼を触発して歌曲表現に新しい地平を開かせている。
[三宅幸夫]
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…ワーグナーの楽劇《ローエングリン》は〈白鳥の騎士〉の伝説を扱ったものでとくに有名である。なお,白鳥は臨終の際,妙なる声で歌うという伝説があり,〈白鳥の歌swan song〉の語が,辞世とか芸術家の最後の作品の意でも用いられる。【谷口 幸男】。…
※「白鳥の歌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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