真宗(皇帝)(読み)しんそう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「真宗(皇帝)」の意味・わかりやすい解説

真宗(皇帝)
しんそう
(968―1022)

中国、北宋(ほくそう)第3代皇帝(在位997~1022)。第2代皇帝太宗の子。姓名は趙恒(ちょうかん)。太祖、太宗の前2代の時代に、唐末五代の混乱を収拾し、中央集権的体制を確立したのを受けて、発展期に入った時代である。ただ東北の遼(りょう)との関係はなお安定しておらず、1004年には聖宗の侵入を受けた。当時、遼に対しては柔硬2論があったが、親征を主張する宰相寇準(こうじゅん)に従って黄河を渡り、澶州(せんしゅう)に布陣した。この強硬策によって、04年に和議を結ぶことになり、宋は兄、遼は弟の礼をとること、銀10万両、絹20万疋(びき)を歳幣として遼に送ること、両国国境に軍事的緩衝地を設置することなどの協定が結ばれた。澶淵(せんえん)の盟である。この結果、両国は滅亡まで比較的安定したものとなった。また真宗の時代は占城稲(せんじょうとう)が輸入され、江南の生産力が増加したほか、国情の安定によって国力が増したが、有名な泰山封禅(たいざんほうぜん)をはじめとする盛んな土木工事によって国費をいたずらに使用した面もある。

[伊原 弘]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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