真清水蔵六(初代)(読み)ましみず・ぞうろく

朝日日本歴史人物事典 「真清水蔵六(初代)」の解説

真清水蔵六(初代)

没年:明治10.6.12(1877)
生年:文政5(1822)
幕末明治期の京都の陶家。山城国(京都府)乙訓郡久我村の庄屋清水源右衛門の3男。五条坂の陶家和気亀亭に入門。天保14(1843)年独立し五条坂に開窯,名を蔵六と改め,のちに妙法院宮より真清水の姓を受ける。中国,朝鮮古陶を研究,明治初年には外国博覧会にも出品,色絵・金襴手・青磁・染付などを作り,茶器を得意とした。 2代蔵六(1861~1936)は初代の長男として生まれ,幼名は寿太郎。父初代蔵六,母チカから陶技を学び,明治15(1882)年蔵六を襲名。国内各地を巡るほか,22年には中国,43年には朝鮮半島に渡って古陶の調査を行った。大正6(1917)年には山科西野山に窯を移し,泥中庵とも号した。青磁・染付・三島手などに優れ,古陶磁研究に造詣が深く『陶寄』『蔵六漫筆古陶録』などの著書がある。

(伊藤嘉章)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「真清水蔵六(初代)」の解説

真清水蔵六(初代) ましみず-ぞうろく

1822-1877 江戸後期-明治時代の陶工
文政5年11月生まれ。山城(京都府)乙訓(おとくに)郡の庄屋清水源右衛門の3男。3代和気亀亭(わけ-きてい)にまなび,天保(てんぽう)14年京都五条坂に窯をひらく。妙法院宮教仁親王より真清水の姓をあたえられ,11代千宗室に茶をまなび,宗缶の号をえた。青磁,染め付けを得意とした。明治10年6月16日死去。56歳。幼名は太三郎。

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