朝日日本歴史人物事典 「真清水蔵六(初代)」の解説
真清水蔵六(初代)
生年:文政5(1822)
幕末明治期の京都の陶家。山城国(京都府)乙訓郡久我村の庄屋清水源右衛門の3男。五条坂の陶家和気亀亭に入門。天保14(1843)年独立し五条坂に開窯,名を蔵六と改め,のちに妙法院宮より真清水の姓を受ける。中国,朝鮮の古陶を研究,明治初年には外国博覧会にも出品,色絵・金襴手・青磁・染付などを作り,茶器を得意とした。 2代蔵六(1861~1936)は初代の長男として生まれ,幼名は寿太郎。父初代蔵六,母チカから陶技を学び,明治15(1882)年蔵六を襲名。国内各地を巡るほか,22年には中国,43年には朝鮮半島に渡って古陶の調査を行った。大正6(1917)年には山科西野山に窯を移し,泥中庵とも号した。青磁・染付・三島手などに優れ,古陶磁研究に造詣が深く『陶寄』『蔵六漫筆古陶録』などの著書がある。
(伊藤嘉章)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報