着綿・被綿(読み)きせわた

精選版 日本国語大辞典 「着綿・被綿」の意味・読み・例文・類語

きせ‐わた【着綿・被綿】

〘名〙
※光悦本謡曲・猩猩(1466頃)「白菊の、きせわたを暖めて」
※俳諧・玉海集(1656)三「きせわたか白雲かかる菊月夜〈清之〉」
② シソ科の多年草。各地の野原山地に生える。茎は四角柱形で、高さ〇・六~一メートル。全体に下向きの褐色粗毛がある。葉は柄があって対生し、葉身は長さ六~一〇センチメートルの卵円形で縁には大形の鋸歯(きょし)がある。夏から秋にかけ、上部の葉腋(ようえき)に長さ二・五~三センチメートルの淡紫色または白色の唇形花を輪生状につける。萼(がく)は鐘形で五裂し、先端は刺(とげ)になる。着綿草。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
③ 植物「くるまばな(車花)」の異名
④ キセワタガイ科の巻き貝。北海道南部から九州の内湾潮下帯の泥底に分布する。殻高約二センチメートルで体の割合に小さく、外套膜に包まれていて外から見えない。白色半透明で、螺層(らそう)はほとんどなく、殻口部が大部分を占める。軟体は乳白色で頭に綿帽子を着せたような形をしている。泥中のアサリの幼貝などを食べ荒らす。着綿貝。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android