矢倉(城)(読み)やぐら

世界大百科事典(旧版)内の矢倉(城)の言及

【城】より

…8世紀の陸奥の多賀城,それをとりまく桃生(ものう)城,伊治城,玉造柵などや,出羽の秋田城は丘陵に立地する平山城であり,9世紀の胆沢(いさわ)城,志波城は北に川をみる台地上での平城,徳丹(とくたん)城,城輪柵遺跡はまったくの平城で,払田(ほつた)柵遺跡では中央政庁を小丘に築き平地にをめぐらしている(図)。国府都城【坪井 清足】
【中世】
 戦国時代の城を例に城の基本的な構造を述べると,将兵の宿営する建物や倉庫を建てる場所,あるいは戦闘の足場や陣地を確保するために削平された平場が曲輪(くるわ)(郭)で,これを防御する施設としてや土塁のような普請(土木)物,柵,塀,(矢倉),木戸のような作事(建築)物が付属する。山城(やまじろ)では,自然の斜面やこれを補強した切岸が防御施設の代りになるので,堀(空堀,壕)や土塁の伴わない場合があるが,平城では地続きを遮断するための堀(水堀,濠)は不可欠の要素である。…

【櫓】より

…一般には材木を組み上げた高い足代のことをいう。矢倉とも書き,《日本書紀》大化1年(645)条に〈兵庫(やぐら)を起造りて,国郡の刀(たち)甲(よろい)弓矢を収め聚め〉とあり,これは矢倉すなわち武器庫の意味であろう。また《続日本紀》宝亀8年(777)条に,恵美押勝の邸宅に櫓を設けた記事がある。…

※「矢倉(城)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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