石井 真木(読み)イシイ マキ

20世紀日本人名事典 「石井 真木」の解説

石井 真木
イシイ マキ

昭和・平成期の作曲家,指揮者



生年
昭和11(1936)年5月28日

没年
平成15(2003)年4月8日

出生地
東京

学歴〔年〕
ベルリン音楽大学作曲科〔昭和36年〕卒

主な受賞名〔年〕
ヴェネチア市賞〔昭和48年〕,尾高賞(第25回)〔昭和51年〕,ベルリン芸術祭優秀賞〔昭和55年〕,中島健蔵音楽賞(最優秀賞)〔昭和60年〕,ドイツ批評家賞(音楽部門 第37回)〔昭和63年〕,京都音楽賞(大賞 第5回)〔平成2年〕,レコード・アカデミー賞(第28回)〔平成2年〕,芸術作品賞(レコード部門 平2年度)「協奏交響」,レコード・アカデミー賞(第31回)〔平成5年〕「輝夜姫」,日本文化芸術振興賞(日本伝統文化振興賞 第6回)〔平成11年〕,紫綬褒章〔平成11年〕

経歴
日本のモダンダンスの創始者として知られる舞踏家石井漠三男で、兄は作曲家の石井歓伊福部昭に師事し、昭和33年ドイツに留学。ベルリン音楽大学で作曲を学び、12音技法など最先端の現代音楽技法を取り入れた作品を次々に発表。1960年代からは声明や和太鼓など日本の古典音楽や東南アジアのガムラン音楽に傾倒して、“2つの音の世界からの創造”をテーマに西洋音楽と日本の伝統音楽を融合させた独自の音楽世界を展開、ヨーロッパと日本を舞台に国際的に活躍した。主な作品に「遭遇II」「モノプリズム―日本太鼓とオーケストラのための」「彼方へ―ピアノ独奏」「蛙の声明―草野心平の詩に拠る」「解脱―笛とオーケストラのための」「響層」「祇王」「打楽器群とオーケストラのための『響層』」、バレエ「輝夜姫」などがある。また、58年には反核コンサートの世話人を務め、60年からは“東京の夏”音楽祭の企画・構成を担当した。平成10年長野五輪の入場行進曲を他の作曲家と連作。11年日本とオランダの交流400年を記念して、オランダ政府からの委嘱で初オペラ「閉じられた舟」を作曲、ヨーロッパ公演を経て、12年日本で上演された。日中友好合作現代音楽祭の企画・構成も手がけた。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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