石狩(支庁)(読み)いしかり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「石狩(支庁)」の意味・わかりやすい解説

石狩(支庁)
いしかり

北海道中西部、石狩(いしかり)川の中・下流域から石狩湾沿岸地帯にかけての町村を所管した北海道庁の出先機関。2010年(平成22)、支庁制度改革によって石狩振興局改称・改組された。旧石狩支庁の所管区域は当別(とうべつ)町と新篠津(しんしのつ)村で、支庁所在地は札幌市。原則として市域は所管外であるが、政令指定都市の札幌市を除く江別千歳(ちとせ)、恵庭(えにわ)、石狩、北広島の5市を含む地域を意味する場合もあり、また実務上も市域を含めて管内とされることが多かった。

 明治以前にも海岸のニシン場や石狩川沿いの内陸に来住者がいたが、1869年(明治2)開拓使設置とともに、札幌を中心に開発が進められた。当初は、入植の条件も出身地も異なる小集団がそれぞれの地区に植民村を建設していたが、第二次世界大戦の前後にかけて数回の町村合併があり、さらに1954年(昭和29)から1996年(平成8)にかけて5市の市制施行を経て支庁終了時の状態になった。沿岸のニシン漁、内陸の自給農業から始まった管内も、広義の札幌圏に包括された。当別町、新篠津村は酪農米作に重点をおいている。新千歳空港立地発展した千歳市を除く4市は札幌市に隣接しており、第二次世界大戦後、札幌市の発展とともに同市の衛星都市化、ベッドタウン化が進み、人口増加、市制をしくに至った。1994年(平成6)石狩湾新港関税法に基づき開港した石狩市の発展も著しい。

[奈良部理]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android