磯野小右衛門(読み)いその・こえもん

朝日日本歴史人物事典 「磯野小右衛門」の解説

磯野小右衛門

没年:明治36.6.11(1903)
生年:文政8.10.3(1825.11.12)
明治期の実業家。長州萩(萩市)生まれ。18歳のとき,下関に出て米相場を行い,弘化4(1847)年大坂に出て長州藩蔵屋敷留守居役の蜷川四郎左衛門の所に身を寄せた。その後,堂島に店を借りて米取引を始め,資金を蓄えて維新政府に軍用費700両を献金した。明治4(1871)年に武富辰吉らと堂島に正米会所を設立した。9年に大阪堂島米商会所が開設されると初代頭取に就任した。副頭取に三井元之助,肝煎(出納係)に 鴻池善右衛門らがいた。また15年には大阪株式取引所(1878年設立)の頭取となるなど,近代大阪の商品取引組織や信用機構の形成にも尽力した。24年には第4代大阪商業会議所会頭に選ばれた。29年に北浜銀行が創設されたとき,藤田伝三郎と共にその中心人物となった。

(作道洋太郎)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「磯野小右衛門」の解説

磯野小右衛門 いその-こえもん

1825-1903 幕末-明治時代の実業家。
文政8年10月13日生まれ。大坂で米問屋をひらく。明治4年堂島米会所をおこす。16年大阪株式取引所の頭取,24年大阪商業会議所の会頭。のち帝国商業銀行,北浜銀行の設立にかかわった。明治36年6月11日死去。79歳。長門(ながと)(山口県)出身本姓河村幼名は仁三郎。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android