神の国(読み)かみのくに

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

神の国(キリスト教)
かみのくに

本来の意味は王としての神の支配をさす。しかしその支配領域も考えられている。神の国(「マタイ伝福音書(ふくいんしょ)」では「天国」)は、イエスの宣教の中心的主題(「マルコ伝福音書」1章15)であるが、『旧約聖書』に根ざす概念である。『旧約聖書』において神ヤーウェはイスラエルの王(「サムエル記」上12章12)で、全世界の支配者でもある。後期ユダヤ教は、神の支配の完全な実現をこの世界の歴史のかなたに期待した。神の国は、サタン的諸力が跋扈(ばっこ)するこの世界の終末をもって始まる。そのとき神は奇跡的に歴史に介入し、サタン的諸力を滅ぼし、神自身の完全な支配を実現するであろう。人は復活と最後の審判を経て神の国に入れられるが、それは究極的な救い、至上の祝福、永遠の生命を意味する。後期ユダヤ教におけるこのような神の国思想は、イエスによって批判的に継承された。一般にキリスト教徒は、神の終末的支配がキリスト再臨のときに実現するものと信じ、それを待望している。[川島貞雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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