祠(漢字)

普及版 字通 「祠(漢字)」の読み・字形・画数・意味


10画

(異体字)
16画

[字音]
[字訓] まつる・まつり

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
声符は司(し)。司は祝詞を啓(ひら)いて神意を伺うことを示す字。祝詞を奏して祀ることを祠という。〔説文〕一上に「春の祭を祠と曰ふ。品物少なくして、詞多きなり」と祠・詞の畳韻を以て解する。「仲春の、祠るに犧牲を用ひず。圭璧(けいへき)び皮を用ふ」という〔礼記、月令〕の文を引き、文詞多き意とするが、犠牲を省くのは、その胎孕(たいよう)を避けるためである。その祠るところをも、また祠という。字はまたに作る。異は神像の象であろう。

[訓義]
1. まつる、祝詞してまつる。
2. まつり、春のまつり。
3. いのる、神意を問うまつり、神意に報ずるまつり。
4. やしろ、ほこら。
5. 詞・辞と通じ、ことば、まつることば。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕祠 保加不(ほかふ) 〔名義抄〕祠 マツル・イノル・トシ・ヒトシ・ホカフ 〔字鏡集〕祠 ツカフ・イノル・マツリ・ホカフ・ヤシロ・ハルマツリ

[語系]
祠・祀()ziは同声。祀は巳(し)(蛇の形)に従い、自然神を祀る意。祠は司に従い、祝告を主とする祭祀をいう。

[熟語]
祠位祠宇祠謁・祠屋・祠下祠監・祠官・祠器・祠宮祠享・祠・祠具・祠祭祠賽祠祀・祠事・祠室祠樹・祠祝・祠城・祠正・祠前祠竈祠壇祠典・祠・祠堂祠尾・祠祠兵祠墓・祠・祠録
[下接語]
祠・旧祠・厳祠・古祠・荒祠・告祠・社祠・神祠・崇祠・叢祠・祠・祠・奉祠・報祠・祠・霊祠

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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