普及版 字通 「票(漢字)」の読み・字形・画数・意味
票
常用漢字 11画
(異体字)
11画
[字訓] とぶ
[説文解字]
[字形] 会意
正字は、その初文はに作る。(し)は人の頭部。屍(しかばね)を焚(や)いて、その火の飛ぶことをいう。〔説文〕十上に「火飛ぶなり」と訓して会意とし、上部の形を「(せん)と同なり」とする。は〔説文〕三上に「高きに升(のぼ)るなり」とあって、登の意と解するが、死者を一時板屋に遷して殯葬し、その風化を待って、改めて埋葬する複葬の法をいう字である。票は焚屍(ふんし)の象。古く火葬も行われ、その火勢のさかんなことを票という。ゆえに軽・挙の意があり、疾(ひようしつ)の意を生ずる。票に従う字は、おおむねその声義を承ける。
[訓義]
1. 火がとぶ、とぶ。
2. ゆれうごく、かるくあがる。
3. はやい、ただよう。
4. ふだ、かみきれ、切符の類。
[声系]
〔説文〕に票声として・剽・標・・・驃・・漂・嫖・飄など二十三字を収める。おおむね票の声義を承け、挙・軽・漂揺などの意をもつ字である。
[語系]
票・漂phi、・飆pi、飄biはみな疾・漂揺の意がある。pi、・剽phiも同じ。
[熟語]
票額▶・票騎▶・票拠▶・票禽▶・票軽▶・票号▶・票子▶・票式▶・票取▶・票照▶・票然▶・票簿▶・票面▶・票勇▶・票雄▶
[下接語]
開票・給票・軍票・彩票・散票・証票・鈔票・信票・伝票・投票・白票・門票・零票
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報