禁漁区(きんりょうく)(読み)きんりょうく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「禁漁区(きんりょうく)」の意味・わかりやすい解説

禁漁区(きんりょうく)
きんりょうく

有用な水産生物資源の維持と増加を図る目的で、漁業が禁止されている特定水域をいい、「きんぎょく」ともいう。禁漁区は、規制や調整の対象とされる漁業に設定される場合と、産卵場や稚仔魚(ちしぎょ)の生育場所を保護して再生産を期待する場合とがある。また、禁漁区は、長年禁漁を継続する場合と、時期を定めて1年に何回か解禁する場合とがある。一般に禁漁を長年にわたって継続すると、その水域内の生息密度は限界に達する。禁漁期と禁漁区とは時間と空間の差はあるが、同様の意味をもち、しばしば組み合わされて適用される。とくに人工魚礁の設置場所あるいは移殖地を禁漁区に指定するなど、ほかの増殖手段と併用される場合も多い。

[吉原喜好]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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