福島復興再生総局(読み)ふくしまふっこうさいせいそうきょく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「福島復興再生総局」の意味・わかりやすい解説

福島復興再生総局
ふくしまふっこうさいせいそうきょく

東日本大震災により発生した東京電力福島第一原子力発電所事故からの復興を支援するために福島県内に開設された国の三つの出先機関復興庁福島復興局、環境省福島環境再生事務所、原子力災害現地対策本部)が取り扱う業務を統括する機関。2013年(平成25)2月1日に福島市に設置された。それまでは、それぞれの出先機関が中央の復興庁、環境省、内閣府などに懸案をもち帰ることによる意思決定の遅さが指摘されていた。そのため2013年1月に復興推進会議で設置が決められた。縦割り行政を排し、現場主義で即断即決ができる体制を目ざす。県や地元市町村からの要望の窓口となると同時に、喫緊の課題である放射性物質の除染加速、避難住民の早期帰還を実現していく。政府は、民主党政権時に2011年度から5年間で19兆円としていた復興予算を約25兆円に増額し、予算面でもてこ入れを図った。発足時の職員は60名。総局長は復興大臣根本匠(たくみ)(1951― )が兼務し、事務局長の峰久幸義(みねひさゆきよし)(1949―2022。前復興庁事務次官)ら幹部職員が現地に常駐することとなった。福島復興再生総局の発足とあわせて、復興庁内にも関係省庁の局長クラスで構成する福島復興再生総括本部を新設。また福島県も対応窓口を一本化し、国の政策歩調をあわせていく。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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