精選版 日本国語大辞典 「秋刀魚・三馬」の意味・読み・例文・類語
さんま【秋刀魚・三馬】
〘名〙
① サンマ科の海産魚。全長約四〇センチメートルに達する。体は側扁して細長く、刀状。体色は背部が暗青色で腹部は白く、体側に銀白色の光った太い線が走る。口部はとがり、下あごがやや長い。北部太平洋の沖合いから外洋の表層域に広く分布。日本近海に分布するものは、秋、産卵のため大群をなして千島列島付近から産卵しながら南下し、冬、伊豆諸島や紀伊半島などの沿岸に達する。この産卵のために回遊してくるものは脂肪に富んで最も美味。みりん干し、かん詰めなどにもされ、秋の味覚として親しまれる。また、紀伊半島では脂の少ないものを丸干しやすしにして食べる。さいら。《季・秋》 〔本朝食鑑(1697)〕
※滑稽本・浮世床(1813‐23)初「鰺(サンマ)の増塩をしたやつの辛くて一口もいけねへのを。大根をいれて煮て食ふはさ」
② (その形が①に似ているところから) 芝居で使う木に銀紙を貼った粗末な刀。
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