稲舟・稲船(読み)いなぶね

精選版 日本国語大辞典 「稲舟・稲船」の意味・読み・例文・類語

いな‐ぶね【稲舟・稲船】

[1] 〘名〙
① 稲を積んだ小舟で、百姓の用いる耕作船の一種。〔日葡辞書(1603‐04)〕
② 特に、最上川で使われた幅のせまい細長い船。否(いな)というように船首を振るところからいい、「稲舟」はあて字ともいう。→いなぶねの。《季・秋》
※歌仙本順集(10C後)「もがみ河稲船のみは通はずており上り猶さわぐ蘆鴨」
[2] (稲舟) 謡曲。四番目物。廃曲。作者不詳。嵯峨の大念仏で見失ったわが子千満丸(せんまんまる)を尋ねて、桂定世(かつらのさだよ)は羽前国最上川まで下り、そこの稲舟の老船頭の養子となっていた子にめぐりあう。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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