空の巣症候群(読み)カラノスショウコウグン

デジタル大辞泉 「空の巣症候群」の意味・読み・例文・類語

からのす‐しょうこうぐん〔‐シヤウコウグン〕【空の巣症候群】

子供が独立した後の専業主婦を襲う空虚感から生じる、無気力・無関心・自信喪失・寂寥せきりょう感などの症状更年期障害と重なることが多く、抑うつ症に似た状態を示す。エンプティーネストシンドローム(empty-nest syndrome)。

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六訂版 家庭医学大全科 「空の巣症候群」の解説

空の巣症候群
(こころの病気)

 エンプティネスト・シンドロームともいわれ、子育てを終えた中年初老期の女性(主婦)にみられる状態をいいます。一種の役割喪失に伴う、気のゆるみ、空虚感(くうきょかん)が主症状で、ひどい場合はうつ病とまぎらわしくなります。更年期障害と重なった場合には一層状態は深刻です。

 精神科医にとっては特別難しい病態ではありませんが、何よりも早期発見が大切で、さらに予防にまさる治療はないといえます。

 つまり、この時期はあらかじめ予測できるので、そうした事態に備えて、趣味を開拓したり、サポートを期待できる友人関係を築いたり、配偶者との新たな関係を構築したりするべきです。

 本来は病気ではないので、この時期にふさわしい主体性の確立と、新たなる役割・人生の価値への目覚めが脱出のキーとなります。そのためにカルチャーセンターやボランティア活動などを積極的に活用するとよいでしょう。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

百科事典マイペディア 「空の巣症候群」の意味・わかりやすい解説

空の巣症候群【からのすしょうこうぐん】

エンプティ・ネスト・シンドロームempty nest syndromeとも。中高年の主婦が陥りやすい心身の不安定な状態。子供たちが進学就職結婚などで巣立ってゆき,夫は仕事が忙しくて不在がちで,ひとり家庭に取り残された主婦が,空虚感や不安感,抑うつ感などにとらわれて心身の不調を訴える状態をいう。

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