突返・吐返(読み)つきかえす

精選版 日本国語大辞典 「突返・吐返」の意味・読み・例文・類語

つき‐かえ・す ‥かへす【突返・吐返】

〘他サ五(四)〙
[一] (突返)
① 突いてもとに返す。つきもどす。また、相手が突いて来たのに対して、こっちからも突く。
古事記(712)上「其の矢を取りて、其の矢の穴より衝返(つきかへし)下したまへば」
② 贈り物などを受け取らないでそっけなく返す。つきもどす。つっかえす。
評判記色道大鏡(1678)一「其品をいひことはり、又むかふへつきかへす事もあり」
[二] (吐返) 食べた物を腹中からもどす。へどをはく。もどす。つきもどす。
※とりかへばや(12C後)上「つゆたちばな、かうじやうのものもみいれず、つきかへしなどし給を」

つっ‐かえ・す ‥かへす【突返・吐返】

〘他サ五(四)〙 (「つきかえす(突返)」の変化した語)
[一] (突返) =つきかえす(突返)
[二] (吐返) =つきかえす(吐返)
※落語・素人茶道(1893)〈三代目春風亭柳枝〉「小僧一口飲んで見たが『ウム…』と吐返(ツッカヘ)しそうに為たが」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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