精選版 日本国語大辞典 「竈・釜・窯・罐・缶」の意味・読み・例文・類語
かま【竈・釜・窯・罐・缶】
〘名〙
[一] (竈)
③ (かまどを預かる者の意から) 妻をいう語。
※浄瑠璃・傾城八花形(1703)三「ヲヲそなたがかまのまへでこそ、いひたい我ままいはれふづれ」
[二] (釜)
① 飯をたいたり湯をわかしたりする金属製の用具。鍋よりも深く造り、普通は腰につばがある。まろがなえ。はがま。
※更級日記(1059頃)「心も知らぬ人を宿し奉りて、かまばしも引き抜かれなば、いかにすべきぞ」
② 湯釜と茶釜との総称。湯釜は、銅製か鉄製だが、茶の湯に使う茶釜には、銀・金製などもある。標準形を真形(しんなり)といい、そのほか、茶釜百態といって種々な形のものがある。また、地紋の有無、所蔵者、製作者などによって多くの分類名がある。昔からいわれの深い茶釜のことを名物釜という。〔和漢三才図会(1712)〕
③ (形が似ているところから) カタツムリの殻。
※天理本狂言・蝸牛(室町末‐近世初)「雨も風もふかぬは、でざ、かま打わらう」
④ 臀(しり)、または肛門の異名。転じて、男色をもいう。
※雑俳・柳多留‐八八(1825)「門前の茶釜和尚の釜とでき」
⑤ ((二)①とその形が似ているところから) 「かまがたぼう(釜形帽)」の略。
※雑俳・柳多留‐五四(1811)「飾った鍋を仕廻ふ翌(あ)す釜が明き」
[四] (罐・缶) 水などを加熱、蒸発させて高温・高圧の蒸気とする、密閉した鋼板製の容器。蒸気機関を動かしたり、暖房を行なったりするのに用い、構造はその用途により異なる。ボイラー。〔物理学術語和英仏独対訳字書(1888)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報