立並・立列(読み)たちならぶ

精選版 日本国語大辞典 「立並・立列」の意味・読み・例文・類語

たち‐なら・ぶ【立並・立列】

[1] 〘自バ五(四)〙
[一]
① 立って並ぶ。並んで立つ。
※宇津保(970‐999頃)吹上下「上達部・みこたちまでつらねて、もてまゐりてたちならべり」
太平記(14C後)一二「武家の輩南庭の左右に立双(ナラン)で」
② あるものとくらべられる場に立つ。
※応永本論語抄(1420)子罕第九「縕袍をきて狐貉軽裘美麗なるをきたる人と立並ても、恥しい共不思者也」
[二] (「たち」は接頭語)
両者がそろう。対になる。いっしょにいる。
源氏(1001‐14頃)竹河「大臣・北の方の、さばかりたちならびて、頼もしげなる御中に」
背丈(せたけ)が同じくらいになる。
※竹取(9C末‐10C初)「わがたけたちならぶまで養ひ奉りたるわが子を」
③ 力や才能などが同じ程度である。肩を並べる。匹敵する。
※応和三年伊尹君達春秋歌合(963)「春のうみもあきのもみぢのふかさにはたちならぶべきなみやなからむ」
[2] 〘他バ下二〙 (「たち」は接頭語) 同じように扱う。同一視する。
※源氏(1001‐14頃)玉鬘明石のなみにはたちならべ給はざらまし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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