立入宗継(たてりそうけい)(読み)たてりそうけい

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

立入宗継(たてりそうけい)
たてりそうけい
(1528―1622)

安土(あづち)桃山時代の町人。号は隆佐(りゅうさ)。立入氏は近江(おうみ)野洲(やす)郡立入(滋賀県守山市内)の出身という。いつしか京都に出て、高利貸を営業。その初代という宗康は、1509年(永正6)正月、すでに禁裏御倉職(きんりみくらしき)で、宮廷に毎月酒饌(しゅせん)を納め、御物(ごもつ)の保管、金銭の出納、年貢米などの管理にあたった。やがて宗継が襲職。64年(永禄7)と67年の二度、正親町(おおぎまち)天皇の勅使として尾張(おわり)(愛知県)に下り、織田信長に西上を促した。71年(元亀2)創設の宮廷の貸米制度と、75年(天正3)設定の御料所の運用に関係した。また78年10月、荒木村重(むらしげ)の反逆にあい、信長が石山本願寺に和を求めたときに、宗継は勅使に従い大坂に下り和議斡旋(あっせん)した。

奥野高広

『西田直二郎・柴田実編『立入宗継文書・川端道喜文書』(『国民精神文化文献 13』1937・国民精神文化研究所)』『豊田武著『日本商人史』(1949・東京堂)』

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