立寄(読み)たちよる

精選版 日本国語大辞典 「立寄」の意味・読み・例文・類語

たち‐よ・る【立寄】

〘自ラ五(四)〙
① 波が起こって岸などに近づく。
※竹取(9C末‐10C初)「年をへて波立よらぬ住の江の松かひなしときくはまことか」
② (「たち」は接頭語) 近くに来る。側に寄る。近寄る。
書紀(720)安康即位前・歌謡「大前小前宿禰が 金門蔭(かなとかげ) かく多智予羅(タチヨラ)ね 雨立ち止めむ」
平家(13C前)七「門をひらかれず共、此きはまで立よらせ給へ」
③ (「たち」は接頭語) 目的地への途中で、目的以外のところをおとずれる。道すがらおとずれる。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「深き草を分け入り給て、屋のもとにたちより給へれど」
金槐集(1213)雑「たちよれば衣手涼しみたらしや影みる岸の春の川波」
④ (「たち」は接頭語) 身を寄せてたよる。心を寄せて世話になる。
古今(905‐914)秋下・二九二「わび人のわきてたちよるこのもとはたのむかげなくもみぢちりけり〈遍昭〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android