普及版 字通 「章(漢字)」の読み・字形・画数・意味
章
常用漢字 11画
(旧字)
11画
[字訓] あきらか・あや・しるし
[説文解字]
[金文]
[その他]
[字形] 象形
入墨の器である辛(しん)(針)の針先の部分に、墨だまりを示す肥点を加えた形。これによって入墨を行う。その文身の文彩あるものを文章といい、その美しさを彰(ぶんしよう)という。〔説文〕三上に「樂の(をは)るを一と爲す。と十とに從ふ。十は數のりなり」とし、楽章の意とするが、(音)とは関係のない字形である。入墨の美をといい、その賦彩を示す彡(さん)を加えて(彰)となる。入墨は刑罰の他にも、通過儀礼として、社会生活上の身分的なしるしとして多く用いられた。それで章明・喪章の意より、章程・憲章をいい、また詩文の章節・楽章の意となる。(文)が文身の意より文雅・文章の意となったように、も入墨の意から諸義が展開する。その展開の過程は、両者に似たところがある。
[訓義]
1. あきらか、入墨の器で入墨すること、その入墨の美しいこと。
2. あらわれる、あや、あきらかにする。
3. しるし、くぎり、きりめ、ほど、てほん、のり。
4. 詩文の一節、楽曲の一節、てがみ。
5. しるしのはん、印章、おしで。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 アキラカニ・アキラカナリ・ナル・アゲツラフ・タダス・ホドコス・トトノフ・ノリ・メグル
[声系]
〔説文〕に声として・・・(障)など八字を収め、また(商)をの省声に従うものとするが、の従うところは辛で、ではない。はの繁文ともいうべき字。は保障、は〔説文〕十三下に「擁(ふさ)ぐなり」とあって、の字に含まれている呪的な意味を承けているようである。
[熟語]
章印▶・章回▶・章狂▶・章句▶・章檄▶・章顕▶・章皇▶・章▶・章書▶・章章▶・章▶・章奏▶・章草▶・章程▶・章徳▶・章表▶・章服▶・章聞▶・章甫▶・章黼▶・章法▶・章報▶・章明▶・章誉▶・章露▶
[下接語]
衣章・印章・王章・雅章・回章・絵章・楽章・含章・記章・旗章・章・旧章・玉章・勲章・建章・憲章・顕章・才章・采章・詞章・詩章・辞章・首章・受章・周章・序章・条章・図章・成章・星章・奏章・喪章・卒章・短章・断章・鳥章・朝章・典章・日章・拝章・飛章・表章・品章・符章・服章・分章・文章・平章・炳章・返章・章・便章・法章・報章・褒章・紋章・竜章
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報