競・糶(読み)せる

精選版 日本国語大辞典 「競・糶」の意味・読み・例文・類語

せ・る【競・糶】

〘他ラ五(四)〙
① 互いに勝ちを得ようとして争う。きそう。
咄本・私可多咄(1671)二「あまり目を競るまいぞ競るまいぞといふ」
② 競争して買う。取引所や市場での取引で、自分のものとするため、買手がきそって価格をつりあげる。また、せり売りをする。
浮世草子世間胸算用(1692)五「これを望はないかとせりければ、六匁三分五リンづつに落ける」
※生(1908)〈田山花袋〉一一「相場を糶(セ)る声が」
行商人が売り声をあげて物を売り歩く。行商する。
※咄本・楽牽頭(1772)首売「首売ろふ首売ろふと、せって歩行(あるく)を呼び込み」

せり【競・糶】

〘名〙 (「せり(迫)」と同語源)
① きそうこと。せりあうこと。
複数の買い手に、品物の価格を競争させて、最も高い価格を提示した者に売ること。また、その売り方。競争売買。→せりうり(競売)①。
梅津政景日記‐慶長一七年(1612)三月一四日「三拾目ね入、五拾目までせり候也」
③ 行商。せりうり。〔分類漁村語彙(1938)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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