朝日日本歴史人物事典 「竹本春太夫(5代)」の解説
竹本春太夫(5代)
生年:文化5(1808)
幕末明治期の義太夫節の太夫。本名長原弥三郎。泉州堺の生まれ。4代目竹本氏太夫の門弟。初名さの太夫,のち文字太夫。天保13(1842)年4代目春太夫の養子となって5代目を相続,「摂州合邦辻」の「合邦庵室の段」で披露した。明治5(1872)年文楽座が博労町から松島へ移転したとき,4代目紋下となる。天性の美音で硬軟強弱を自由自在に語り,古流浄瑠璃最後の名人といわれた。門下から巣立ったのが,明治浄瑠璃界の双璧とうたわれた竹本摂津大掾と竹本大隅太夫。<参考文献>郭外「竹本春太夫」(『小天地』1903年1月号)
(倉田喜弘)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報