管弦・管絃(読み)かんげん

精選版 日本国語大辞典 「管弦・管絃」の意味・読み・例文・類語

かん‐げん クヮン‥【管弦・管絃】

〘名〙
管楽器弦楽器。笛類と、琵琶・琴などの弦(いと)類との楽器の総称。また、それによる音楽。糸竹(いとたけ・しちく)。かげん。
※貞信公記‐抄・延喜一〇年(910)一〇月二九日「酔後有召参上、終夜奏管絃
古今著聞集(1254)一九「侍臣、唱歌し管絃を奏す」 〔漢書‐礼楽志〕
② (━する) 雅楽合奏をすること。音楽を演奏すること。また、詩文や和歌に対して、音楽をいう。
※中右記‐承徳元年(1097)閏正月四日「伝累代之業、長管絃之道、寛治元年以来為当時御師」
今昔(1120頃か)一三「管絃の方に心を得て、箏(しゃうのこと)を弾ずる事極めて達(いた)れり」
③ 雅楽の合奏の様式をいう語。管楽器・弦楽器を用いて、なだらかにゆっくりと奏すること。

か‐げん クヮ‥【管弦・管絃】

〘名〙 (「かんげん」の撥音「ん」の無表記形)
※御伽草子・梵天国(室町末)「葦原国には、笛を吹(ふき)、いやしきしづまでも、管絃(クゲン)の道をたしなむ也」
※説経節・法蔵比丘(佐渡七太夫豊孝正本)(18C前頃か)一「ことにこよひ八月十五夜にて、月のくゎけんのさふらふ由承候」
歌舞伎で、囃子(はやし)鳴物の一種。三味線大太鼓と能管をあしらった荘重なもので、時代物で、御殿などの幕開きや、人物の出入りなどに用いる。
※歌舞伎・暫(1714)「ト管絃になり、上手より蘆原四郎将平」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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