普及版 字通 「篆(漢字)」の読み・字形・画数・意味
篆
15画
[字訓] てんしょ
[説文解字]
[字形] 形声
声符は彖(たん)。彖にまるいものの意がある。〔説文〕五上に「引書なり」とあり、肥瘠破を加えず、筆を引いて均斉の太さでしるす書法の意であろう。西周後期の〔頌壺(しようこ)〕のような金文や、また〔石鼓文〕の書体が秦の大篆となり、さらに整理され標準化されて小篆となった。筆を引いて屈曲纏繞(てんじよう)するので、装飾的な字様となり、呉・越の地では一時鳥虫篆のような字様が行われた。のちの篆刻にその系統のものがある。
[訓義]
1. てんしょ、書体の名。
2. 鐘の口縁の帯状の飾り。
3. こしきしばり。
4. 印章の字、多く篆文を用いる。
[語系]
篆・・椽ziuanは同声。みなまろやかで、纏繞するものの意がある。纏・廛dianは声義近く、まといめぐらすもの、專(専)tjiuan、摶duanもまた同系の語で、まるめてうつ意がある。
[熟語]
篆靄▶・篆煙▶・篆蓋▶・篆額▶・篆款▶・篆形▶・篆香▶・篆刻▶・篆字▶・篆書▶・篆章▶・篆素▶・篆体▶・篆籀▶・篆盤▶・篆筆▶・篆文▶・篆法▶・篆銘▶・篆隷▶
[下接語]
引篆・陰篆・雲篆・蝸篆・奇篆・玉篆・契篆・香篆・蛟篆・刻篆・朱篆・小篆・秦篆・草篆・大篆・丹篆・虫篆・籀篆・鳥篆・雕篆・繆篆・銘篆・霊篆・隷篆
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報