日本大百科全書(ニッポニカ) 「米山(山)」の意味・わかりやすい解説
米山(山)
よねやま
新潟県柏崎市(かしわざきし)と上越市(じょうえつし)の境にある信仰の霊山。標高993メートル。かつて日本海航路の目印となったコニーデ型の美しい火山型山容を呈しているが、海底火山の隆起したもので火山ではない。頂上には米山薬師が祀(まつ)られ、有名な米山甚句(じんく)や三階節(さんがいぶし)にも歌われている地元民の信仰の山で、佐渡弥彦米山国定公園(さどやひこよねやまこくていこうえん)に属している。山体は第三紀中新世の寺泊(てらどまり)・椎谷(しいや)層を抜いた角閃石(かくせんせき)安山岩や複輝石(ふくきせき)安山岩からなり、日本海側は海岸段丘崖(がい)が海に突入して、福浦(ふくうら)八景の景勝地を形成している。近世の北国(ほっこく)街道はこの段丘崖を登り下りする難所で、「米山三里」の峠越えは上・中越の大きな障壁をなしていた。
現在は、国道8号や北陸自動車道が田切(たぎり)峡谷を大袴橋(こきょう)でまたぎ、JR信越本線は海岸をトンネルで通過している。
[山崎久雄]
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