粗忽・楚忽(読み)そこつ

精選版 日本国語大辞典 「粗忽・楚忽」の意味・読み・例文・類語

そ‐こつ【粗忽・楚忽】

〘名〙
① (形動) 時間にゆとりのない場合・状態にいう。即時であること。突然であること。すみやかであること。いそぐこと。あわただしいこと。あわてること。また、そのさま。倉卒
※中右記‐嘉保二年(1095)八月一二日「今日貫首尚書以下出嵯峨野虫、可天覧者、事出楚忽、興入周遊
太平記(14C後)一「近日東夷の行事(ふるまひ)、楚忽(ソコツ)の義多く候へば、御油断有るまじきにて候」
② (━する) (時間または思慮の不足から生じる)あやまち。しくじり。そそう。
※仮名草子・身の鏡(1659)中「また戦域におひても、楚忽(ソコツ)なくみぎの通りにて御座候」
浄瑠璃曾我会稽山(1718)三「兄十郎は、ねび者にて、そこつせぬ生れ付」
③ (形動) 思慮の不十分な状態にいう。そそっかしくて不注意なこと。かるはずみで失礼にあたること。また、そのさま。そそう。
※古文真宝彦龍抄(1490頃)「硯もいかに堅くとも、童子がそこつにて石の上へ打落たらば破んぞ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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