日本大百科全書(ニッポニカ) 「粛慎(みしはせ)」の意味・わかりやすい解説 粛慎(みしはせ)みしはせ 古代に北辺に居住した辺民に対する呼称。中国古代では沿海州方面にいた実在の種族をさしたが、日本ではそれと同じ種族ではなく、現在の北海道方面に居住した蝦夷(えぞ)の別称のように用いられている。6世紀の欽明(きんめい)朝に粛慎が佐渡島にきている例があり、さらに7世紀なかばの斉明(さいめい)朝には阿倍比羅夫(あべのひらふ)の遠征で粛慎を討ったともある。その住地が渡島(わたりしま)とされることから、北海道アイヌのことかともされる。[高橋富雄] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例