紅レン(簾)石(読み)こうれんせき

改訂新版 世界大百科事典 「紅レン(簾)石」の意味・わかりやすい解説

紅レン(簾)石 (こうれんせき)
piedmontite

化学成分Ca2(Al,Fe3⁺,Mn3⁺)3Si3O12OH鉱物。緑レン石族であって単斜ゾイサイト類のうちMn2O3を5%以上含有する種を呼ぶ。単斜晶系に属し,形態結晶b軸方向に延びた柱状結晶を示すが,粒状塊状となる場合もある。{001}に完全なへき開を示す。赤褐色~紫赤色であって,薄片で観察する場合ピンク~すみれ色の著しい多色性が見られる。モース硬度6,比重3.45~3.52。埼玉県長瀞(ながとろ)地方,徳島県南東部の結晶片岩中の紅レン石片岩の構成鉱物として産出するほか,花コウ岩ペグマタイト,マンガン鉱床の母岩中にも産出する。
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百科事典マイペディア 「紅レン(簾)石」の意味・わかりやすい解説

紅レン(簾)石【こうれんせき】

マンガンを含んだ緑レン石族の鉱物。柱状の結晶を示し,淡紅色または紅色で,透過光に対しオレンジ黄〜鮮紅色の多色性がある。組成はCa2(Mn,Fe,Al)3Si3O12(OH)。単斜晶系,へき開は完全。比重3.4,硬度6.5。結晶片岩(紅レン石片岩)中またはマンガン鉱床に伴って産出。

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