紅葉・黄葉・栬(読み)もみじ

  • もみじ もみぢ

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (動詞「もみず(紅葉)」の連用形の名詞化。古くは「もみち」)
① (━する) 秋に、草木の葉が赤や黄に変わること。紅葉(こうよう)すること。また、その葉。《季・秋》
※万葉(8C後)一五・三七〇七「秋山の毛美知(モミチ)をかざしわが居れば浦潮満ち来いまだ飽かなくに」
② 楓(かえで)、または楓の葉をいう。
※小学読本(1874)〈榊原・那珂・稲垣〉三「紅葉を愛するは蝦手(かへて)を最とす、故に特に紅葉(モミチ)の名を擅にす」
③ 紋所の名。楓を図柄としたもの。丸に紅葉、杏葉紅葉など。
※讚岐典侍(1108頃)下「五節のをり著たりしきなるより紅までにほひたりし紅葉どもに」
⑤ 恥ずかしさや怒りのために顔が赤くなることのたとえ。→もみじを散らす
※浮世草子・傾城禁短気(1711)一「くっと気をあげ、時ならぬ紅葉(モミヂ)面にあらはし」
⑥ 花札で一〇月を表わす札。紅葉に鹿の図柄の一〇点札、紅葉に短冊の五点札と、一点札二枚がある。
⑦ 料理で、秋の紅葉した木の葉の色を表わしたものにいう語。
⑧ 鹿の肉。鹿には紅葉が取り合わせであるところからいう。また、猪(いのしし)の肉をいうこともある。
※洒落本・蚊不喰呪咀曾我(1779)「さればさ、もみぢのすいものをくっているおりすけをみるようでござる」
※随筆・皇都午睡(1850)三「猪鹿の肉を〈略〉牡丹紅葉など呼ぶ事とはなりぬ」
⑨ 俗に、牛肉をいう。
※いやな感じ(1960‐63)〈高見順〉一「丸万のおごりで、久しぶりにモミジ(牛肉)にありついた」
⑩ 小麦の挽きかす。ふすま。もと、女房詞。また、大坂でいった語。〔男重宝記(元祿六年)(1693)〕
⑪ 茄子(なすび)をいう女房詞。〔女中詞(元祿五年)(1692)〕
⑫ 茶を立てるときに、「紅葉」を音読した「こうよう」を「濃う善う」に通わせていうしゃれ。
※咄本・醒睡笑(1628)五「お茶をもみぢにたてよ〈略〉ただこうようにといふ事なり」
⑬ 魚の鰭(ひれ)の部分の名。背鰭の中央あたりをいう。
⑭ 囲(かこい)女郎の異称。
※浪花聞書(頭注)(1819頃)「鹿古伊は六字とも唱ふ、もみじとも云よし」
※洒落本・当世風俗通(1773)極上之息子風「傘。蛇の目は賤し。紅葉のしら張、爪折したてがよし」
※雑俳・川柳評万句合‐安永四(1775)仁五「彌三良もみぢをとほしとほしうり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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