素木しづ(読み)しらき・しづ

朝日日本歴史人物事典 「素木しづ」の解説

素木しづ

没年:大正7.1.29(1918)
生年:明治28.3.26(1895)
大正前期の作家。素木岫雲,由幾の3女。札幌市出身,庁立札幌高女卒業。結核性関節炎のため右足切断後文学に志して森田草平に入門。同門に女学校級友の森田たまがいた。画家上野山清貢と結婚,一女をもうけた。その間処女作「松葉杖をつく女」ほか「三十三の死」「黄昏の家の人々」などで隻脚傷心,夫とわが子への愛を哀切な筆致で描き好評を得た。代表作の自伝的長編「美しき牢獄」(1917)では,初出の『読売新聞』に挿絵も描いた。他の作に短篇40篇余,作品集『悲しみの日より』(1916),『青白き夢』(1918),その生涯を描いた沖藤典子『薄明の作家素木しづの生涯』(1988)などがある。

(大村沙織)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「素木しづ」の解説

素木しづ しらき-しづ

1895-1918 大正時代小説家
明治28年3月26日生まれ。素木得一の妹。森田草平(そうへい)に入門し,大正2年「新小説」に「松葉杖をつく女」を発表。画家上野山清貢(きよつぐ)と結婚後は,病気と貧困にくるしみながら著作にはげんだ。大正7年1月29日死去。24歳。北海道出身。札幌高女卒。本名はシヅ。作品に「美しき牢獄」「青白き夢」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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