終・了・卒・畢(読み)おわる

精選版 日本国語大辞典 「終・了・卒・畢」の意味・読み・例文・類語

おわ・る をはる【終・了・卒・畢】

[1] 〘自ラ五(四)〙
① (時間的または空間的に)続いていたものがなくなる。果てる。しまいになる。済む。⇔始まる
(イ) それ以上続かない状態になる。
万葉(8C後)一八・四一一六「嘆きつつ 吾(あ)が待つ君が 事(こと)乎波里(ヲハリ) 帰りまかりて」
(ロ) (「…に終わる」の形で) 好ましくない結果になる。
※妾の半生涯(1904)〈福田英子〉三「龍頭蛇尾に終りたること、吾身ながら腑甲斐(ふがい)なくて」
② 死ぬ。往生する。みまかる。
源氏(1001‐14頃)若菜上「いのちをはらむ月日も、更になしろしめしそ
③ (動詞の連用形に付いて) ある動作・作用が完結する。すっかり…する。
日葡辞書(1603‐04)「イイ vouaru(ヲワル)
※趣味の遺伝(1906)〈夏目漱石〉二「迸しる砂烟は〈略〉見渡す限りに有りとある物を封じ了る」
[2] 〘他ラ五(四)〙 終了させる。おしまいにする。終える。
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉二「我輩は已に晩餐を了(ヲハ)ったから」
シェイクスピア(1952)〈吉田健一マクベス「彼は平凡なスコットランド王国でその一生を終ったに違いない」
[語誌]類義の「果(は)つ」が、和文ではふつうに使われるのに対して、「をはる」は和文ではあまり見られず、漢文訓読語の色あいが強い。また、説話類に多い「いのちをはる」「ことをはる」は「命終」「事訖」などの訓読語として定着したものである。→畢(おわ)んぬ

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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